2010年06月10日

ストレッチングは効果ない!?

学生時代に師事していた教授から、

「ストレッチはあまり効果がない。やらないよりは良いけど。」と言われ

とても衝撃を受けたのを思い出します。

治療家を目指し、入学し基礎的な事をいろいろ習いますが、

その代表の一つがストレッチです。

スポーツの現場でも運動する前には必ずストレッチをします。

そのストレッチをいきなり否定(完全否定ではありません)されたのです。

私はなぜ効果がないのですか?と尋ねました。

「現在のストレッチは筋肉の起始・停止を伸ばすだけなので、筋肉の付着部に

負荷を与えるだけで、肝心要の筋肉には全然負荷がかかっていない。」

要するに、ストレッチをすることによって筋肉全体に負荷がかかり均一に

伸びたら良いのだが、実際計測すると負担がかかっている部位とかかっていない

部位が極端に出るそうです。

ストレッチをすることによって偏りが生じやすいという事です。

全体的に負荷をかけるのは、至難の業だと。

私はストレッチの代わりに何をすれば良いのですか?と尋ねました。

「理想は軽い運動から始め、動くこと。」

上記の言葉をそのままスポーツの現場で実践させると、アップのみになり

指導者の方や選手を混乱させるだけです。

現実の指導では軽めにストレッチを指導し、アップ中心で行っていました。

学生時代に読んだ論文とは違いますが、下端にレポートがあるので

目を通して頂ければと思います。


そのような状況の中で、キネティックフォーラムのエクササイズに

出会いました。

エクササイズと表現していますが、単なる運動、訓練ではありません。

他に言葉がないのでエクササイズと表現しています。

とても奥深いエクササイズです。

動かすことによって身体全体が繋がる重要性を体感しながら、

新しい動作感覚を身につける感覚は今までのストレッチや筋トレでは

得られないものです。







ストレッチングでは筋肉痛を予防できない!?
(岡山県柔道整復師会学術部より配信)
提供:Medscape

研究者らによれば、運動前後のストレッチングには筋肉痛に対する効果がないか、あるとしても小さいという

Kathleen Doheny
WebMD Medical News

Reviewed by Brunilda Nazario, MD


【10月17日】新しい調査によれば、激しい運動の前後のストレッチングによって筋肉痛の苦しみから解放されることはないという。

シドニー大学(オーストラリア)の研究者らは、10件の公表された研究を調査した後、このような結論に達した。

この調査により「ストレッチングには筋肉痛の予防効果はないという非常にはっきりとした結果が明らかになった」と調査実施者で、シドニー大学博士課程に在籍するMarcos de Noronhaは述べる。この調査は、『Cochrane Database of Systemic Reviews』の最新号に掲載されている。ストレッチングの効果の有無に関する議論は、長年にわたって続いている。支持する人々は、ストレッチングには筋肉痛を軽減するだけでなく、パフォーマンスを高めたり、ケガのリスクが低下したりすると主張する。

オーストラリアの研究者らは、ストレッチングによって筋肉痛が軽減するかどうかにのみ注目した。また、ストレッチを行う理由が筋肉痛の予防のためだけである場合、「ストレッチは実際には効果がないため、この面倒な作業を行う必要はない」ことが調査で証明されているとde Noronha氏は述べる。

「しかし、ストレッチングを行ったときに気分が良くなるのであれば、運動前後のストレッチングが有害であるというエビデンスはないので、ストレッチングを行えばよい」とde Noronha氏は述べる。

de Noronha氏は、この調査によって筋肉痛に対する大筋群のストレッチングの効果についての長年にわたる議論が沈静化すると述べているが、他の専門家はストレッチングが有効であり、議論はまだ終わっていないと考えているとWebMDに語っている。

試験の詳細

シドニーの研究者らは、通常、激しい運動後1日以内に発現し、その後約48時間でピークに達する遅発性の筋肉痛として知られているものに注目した。9件の試験は、実験室で実施されたもので、被験者がやって来て、運動を行った後、筋肉痛の程度について申告するものであった。1件の試験は、フットボール選手に注目したもので、選手が試合後の筋肉痛について申告するものであった。

3件の試験は運動前のストレッチングに注目するもので、他の試験は運動後のストレッチングについて評価するものであった。6件の試験では、ストレッチ群または非ストレッチ群に無作為に割り付けられた被験者の比較が行われた。

被験者は、1回につき40秒から600秒間のストレッチングを行った。De Noronha氏とシドニー大学上級研究員であるRobert Herbert, PhDは、100ポイントスケールを用いて運動後の筋硬直を評価した。

運動前にストレッチングを行った場合、運動翌日の筋肉痛の緩和は、平均すると100ポイントスケールで0.5未満であった。運動後にストレッチングを行った場合、翌日の筋肉痛緩和は1ポイントであった。「運動の半日潤オ3日後の間に同様の効果が明らかになった」と研究者らは記述している。

セカンドオピニオン

WebMDの依頼により本調査結果を論評した2人の専門家は異なる結論を下した。

「完全に筋が通っている」とカナダアルバータ州カルガリー在住の開業運動生理学者で、米国スポーツ医学会の広報担当者であるMichael Bracko, EdDは述べる。Bracko博士は長い間、ストレッチングでは筋肉痛を予防できないと考えてきた。「非常に優れた調査であり、われわれが以前から知っていた情報と同じである」

筋肉痛が出始めてからストレッチングを行うと、筋肉痛が一時的に緩和する可能性があるとBracko博士は述べる。「しかし、鎮痛効果の持続時間はほんの15潤オ20分にすぎない」とBracko博士は述べる。

しかし、もう1人の専門家であるカリフォルニア州ロングビーチ在住のスポーツ足病医であるPedram Aslmand, DPMは、この新しい調査でストレッチングとその筋肉痛に対する効果に関する議論が終結するとは考えていない。「筋肉痛に対するストレッチングの効果をコントロールすることは難しい」とAslmand博士は述べる。例えば、一部の被験者はストレッチングを行っても筋肉痛が生じる構造的異常(腓筋の短縮等)を有していた可能性があり、このことが結果を歪曲している。

アドバイス:ストレッチをすべきか否か

ストレッチングの利点について議論がなされており、正確かつ穏やかなストレッチングは運動をする人が望むことを完全に満たすものではないかもしれないが、これには害はないだろうと専門家は述べている。Aslmand博士は、ストレッチングはケガを防止したり、パフォーマンスを向上させたりする可能性もあると考えている。

Bracko博士は、様々な試験に関する最新の総説で、定期的にストレッチングをした場合にケガをある程度防止することができることを認めた。多くのアスリートにとって、ストレッチングは儀式以外の何物でもなかったとBracko博士は述べる。

ストレッチングによって筋肉痛が緩和しないなら、どうしたら筋肉痛が緩和するのか?「軽い運動をすればよい」とBracko博士は指摘している。

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