最近、とても多くの急性腰痛の方を多く診させてもらっています
治療家でありながら、お恥ずかしい話ですが私はギックリ腰(急性腰痛)を3回体験しています。
20代で2回、開業して2年目に3回目の体験をしてしまいました。
3回目以降、すなわちここ6年間はなっていません。
先生方の治療を受けたり、あるいは治療を受けたことにより自分が動いていない
(自分では動いていると思っている)場所を確認できそこを中心に
フォーラムエクササイズを実践したおかげだと思います。
一番、ひどかったのは3回目です。
午前の仕事が終わり、着替えをしようと右足からズボンを脱ぎ、
左足を挙げた瞬間、まさに「魔女の一撃」(Hexenschuss,独 欧米での呼び名)が
来ました。
あまりの衝撃に、左足にズボンを引っかけたまま倒れてしまいました。
倒れたまま左足からズボンを脱ぎ、何とか立ち上がり着替えのズボンを履くのに
20分かかりました。
午後の仕事はできるのだろうか?
正直、不安になりました。ましてやこんな日に限ってギックリ腰の患者さんの予約が
とっても多い。
午後までに治療ができる状態にせねば!!と思いなるべく冷静に自分の身体を
見詰めました。
まず、自分の治療基準として私はよく赤ちゃんの成長過程(ハイハイ→立つ→歩く)を例えにします。
ハイハイが出来たら何とか立つことが出来ます。
立つことが出来たら何とか歩くことは出来ます。
歩くことが出来たらある程度の動きが出来てきます。
私の場合、受傷直後はハイハイも苦しい状態でしたし、寝返りなんか全く出来ません。
仰向けに寝て、どこが一番緊張して動いていないかを感覚で探りました。
自分の肩が緊張してかなりガチガチになり、呼吸も浅い状態でした。
腰が痛いと腕に頼って動こうとするのでより肩が緊張しやすくなります。
肩が緊張すると腹部、背部の緊張がどうしても強くなるので腰の緊張は
なかなか取れません。
その為、治療の時は肩周りを良く診ることにしています。
自分で実践するとなるとなかなか肩の緊張は取れません。
横隔膜がやや上がったまま固定されているので呼吸のエクササイズで
上下に動くようにエクササイズをし、そうすると四つん這いで
ハイハイが出来るようになり何とか立ち上がれるようになりました。
歩くと半足分ずつならば痛みがないので、しばらく半足ずつ歩き続けました。
そうすると半足だったのが、4分の3足ずつ→1足→2足と歩幅が拡がって
行きました。
ここまで来ると身体をある程度捻じったり屈んだりするということが出来、
なんとか午後の仕事に間に合う状態になってきました。
無駄な動きをすると腰にギクッと来るので、必然的に力みのない合理的な動きに
なります。
この日の患者さんへの治療結果は抜群でしたね。
20代の修行時代、ギックリ腰になった時師匠に「無理しない程度に動け!!」
とよく言われました。
学校では急性の場合、安静にしなければならないと習います。
しばらく安静にしてみるとどうなるのかやってみました。
安静にしていると楽なのですが、時間が経っても動こうとするとやはり痛い、
動けない。
2回目のギックリ腰からは積極的に無理しない程度に動かすようにすると
早く回復し自分でビックリしたものです。
人それぞれ個人差はあります。
個人差があるように腰痛の原因も個人差があります。
それを改善できると驚くほど速く改善していきます。